episode 5
Golden # 21
俺がゴーストライターとして「女神アーフレの聖水シリーズ:性技詩篇」ででっち上げた、無数にあるどうしようもないプレイの中で最も読者に反響があったのは、「21」というやつだ。数字だけだと何やら異教の呪われた数字のようにも思わせられるが、なんのことはない、女神が小叱呼を客の顔面に浴びせかけるだけのこと。
なんの変哲もない王道といえば王道の変態プレイではあるのだが、そのネーミングがよかったらしい。
全ての哺乳類の排尿時間は、シェブキヌーレイ地方固有種で、世界最小の、ミニペーニスネズミであれ、四足動物の中で体格比最大の物持ちのダンコーンバクであれ、その大小種別を問わず平均21秒だという。人間ももちろん哺乳類だからそうなる。つまり、聖水プレイは21秒の間にその全ての恍惚と悦楽が凝縮されているわけだ。
硬く冷たい大理石の床に、金色のビニールシートが敷かれ、そこにブヨブヨとだらしなく歳を重ねた男が、痴態を曝け出し仰向けに横たわる。これから自分のみに起こるであろう暁光に期待を膨らませ、微かに震えている。男の顔面に女神がその長く躍動的な足を広げてまたがる。女神の秘部が広がって露わになる。
「21秒よ」
男はゴクリと生唾を飲み込む。まずは顔面に浴び、その温もりと顔を打つ聖水のめくるめく滴落を味わうか、口をあけ喉奥にむせるように飛び込んでくる黄金を、溺れながら香りと共に味わうか。いずれにせよ、堪能するには21秒は短すぎる。
そうこうしているうちに、秘部の唇の隙間から勢いよくほとばしるアーフレの黄金の使い。
「!!おぉんぉぉゴボゴボ。。」
男は咳き込みながら全てを受け入れ、朦朧として遠のく意識の中で、自分の中にある全ての秩序、規律、義務、道徳心から解き放たれる。黄金の滝を、精力に満ちた婚姻期の鮭のように激しく遡上し、秘部の奥深くへ到達し真っ白に果てる感覚になった瞬間に全ては終わる。
目を開けるとアーフレは立ち去った後である。金色のビニールシートに飛び散った聖水はすでに冷え切り、その神通力を失った液体からはツンと鼻をつく匂いがするのみであった。
刹那にして鮮烈。