僕は人に自分の好きな音楽を教えるのが好きだ。これ、いいでしょってね。その人がおそらく聞いたことのないであろう、でもきっと新鮮な気持ちで新しいものに触れる喜びを噛みしめるであろう音楽を。まあ、勝手で押し付けがましい行為ではあるので、あまり最近はそういうことをしなくなった気がする。

とはいえ、このクソマイナーなクラリネットっていう楽器をやっていると、どうしてもadvocator(提唱者)的な役割は誰かしらが担わなければならないとも思う。有名な御仁は、そんなことする必要を感じないのであろう、あるいは周りに他のクラリネット吹きが集まるので、そちらのadovocatorになっている。

妙な話だが、僕は日本のクラリネット業界というものにとんと縁がなく、またある意味ほぼ黙殺されていると思っている。それであるが故に自由だし好き放題やれるのだが。

さて、そんな僕が何のadvocatorであるべきかというと、クラリネットを知らない人に向けて、この楽器を手にした怪物たちを紹介するということの、であるべきなのだろう。

YouTubeはappleと同様に音楽業界を創造的破壊とでもいうべき状況に追い込んだ。今や、誰もが音楽は無料だと思う時代だ。その通り。その状況の中で誰が生き残るのかはわからない。しかし、利用することによってのみ、その先へ進めるのだと思う。

前置きが長くなったが、要は僕が観たYouTubeの、チョーかっちょいいと僕が思う映像を紹介したいだけの話。

まずはこれ。

どこかの記事で「呪われた詩人」なんて呼ばれているのを目にして、僕もそのような称号を得たいと思わせられ、確かにライブにしろ、アルバムにしろ、その称号に違わぬめちゃくちゃぶりと、帝王ぶりを存分に表すMichel Portal。YouYube上には見ごたえのあるライブ映像が多く見つかるのだが、最近見つけたこのEurope Jazz 2017のライブは秀逸だ。keybordのBojan ZとBassのBruno Chevillonは長年に渡りPortalのライブを共にしてきた人たちだが、そこにTromboneのNils WogramとDrumsのLander Gyselinckというプレーヤーが入ることで、音楽に新鮮な空気が供給される。もともとPortalのライブは自由でダイナミックで滅茶苦茶なのが魅力なのだが、いい意味でPortalのやんちゃぶりにみんなで乗っかっちゃうのがお決まりなのだ。

その点このライブはPortalの曲以外にもBojanの曲も演奏したりと、少し毛色の違うライブになっている。もちろん、Portalのやっていることはいつも通りだけれど、もはや参謀と化したBojan、そして、一体この人は崩れるということがないのかと思う強力な演奏で音楽の軸を生み出すBruno Chevillonを従え、そこにPortalチョイスではなくおそらくBojanチョイスの二人のプレーヤーが堂々たる存在感でPortalに対峙する。まるでレギュラーバンドのような安定感もあり、そこ此処にPortalならではの段取りの手違いやアンサンブルのズレも起こり、ライブならではのスリルも楽しめる。

まあ、音楽は文字で説明するよりも実際に聴くなり観るなりするのが一番だ。この映像はかっこいいよ。

 

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