写真を載せるわけにはいかないので、文章だけの話になるのだけれど。

バンクーバーのUBC(University of British Columbia)という大学は、自然豊かな森を抜けたバンクーバーの西側の海辺にあり、広大な敷地面積を誇る。その大学の構内を通って再び鬱蒼とした森の中を通る道に出ると、そこは海沿いだ。海沿いといっても、そこはかなり急峻で高さもおそらく100メートルぐらいはありそうな崖の上で、海岸に至るには数百段の階段を降りなければならない。

そんな海岸にはビーチが広がっていて、夏のシーズンには当然海水浴や日光浴を楽しむ人々が訪れる。南国のリゾート地ではない異国の海水浴事情というのもなかなか知る機会がないので、海に囲まれたバンクーバーでビーチに行くのはいいアイデアだと思った。

調べると、レックビーチ(wreck beach)というそのビーチは、ヌーディストビーチとして知られていることがわかった。バンクーバーに数あるビーチの中でもどうやらここだけが全裸OKということらしい。

大学生の時にサークルの演奏旅行の途中、みんなで長野の山奥で素っ裸になって焚き火をして遊んだことのあることをふと思い出したりしながら、バスに揺られて行ってみることにした。

海岸に面していると思われる道路に出る。森の中を通っているので、その先が海なのかどうかはわからないが、ともかく地図上は海岸沿いだ。おびただしい数の車がなぜか間を空けず切れ目なく止まっていて、不思議だった。まさか、この車が全てビーチに行く人々の車なのだろうか、と訝しく思う。

wreck beachの入り口らしきところに着くと、確かにすごい傾斜の斜面に先の見えない階段が続いている。海水浴を終えて上がってくる人々は俯き加減で無言で息を切らしながらゆっくりと階段を登ってくる。

実際に降りてみると10分ぐらいでビーチに出た。西向きのビーチはちょうど夕暮れ時で、陽が傾き海面に光が道のように伸び始めている。波は50cmぐらいの高さで浜辺に穏やかに打ち寄せる。

さて。数百人はいるだろう人々の半分くらいは水着を着ている。つまり残りは着ていないか、トップレスかという感じだ。老若男女特に偏りなく思い思いの時間を過ごしている。たまに通り過ぎる飲み物の売り子の男性も、ぶらんぶらんさせている。目の前の女性二人組はうつ伏せになっているが、何もつけていない。さっきまでTシャツ短パンで丸太に座っていた若い男性が気がついたら一糸纏わぬ姿で海に向かってゆっくり歩いて行ってそのまま海に浸かる。海の水はかなり冷たくて、長時間浸かっていたら唇が紫になるだろうと思うのだが、その海で泳ぎはしゃぐ人もいた。波打ち際から振り返って浜辺を眺める。いろんな形の男性器、いろんな大きさの乳房。水着の女性。バイクのヘルメットを被り後は裸の男性。フリスビーを投げ合う二人。いろんな人に話しかけられるサングラスの男はやはりぶら下げている。そんな光景。それは移民の多い街バンクーバーのダウンタウンの街中の光景と変わらない気がした。

まあ、一度になかなかの数の女性の露わになった胸を見たわけだけれど、特に違和感を感じなかった。それが普通であると思うと、肩や背中を見るのと同じような感覚で胸を見ているような感覚だ。とはいえ、やはり心のどこかで、じっと見てはいけないという意識もあり、恐らくは自分の中の規範意識が少々揺さぶられている気はした。それと同時に、自分のエロスのスイッチが何で入るのかについても改めて理解した。

陽が暮れる前に階段を登り浜辺を後にする。無言で黙々と一段一段登る。振り向くと森の向こうにうっすらと沈む陽の光が見えた。来た時には切れ目なく止まっていた車の列もいつの間にかまばらになった。やはりビーチにやって来た人々の車だったらしい。

僕が裸になったかどうか?それはご想像にお任せする。

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