ライブの後に友達と話をしていて、どんな本を読むかっていう話題になった。当然、人それぞれ本の好みがある。彼女はSFだという。なかなかのオタクだとか。実は、僕は本が苦手だ。嫌いではないけれど、苦手だ。活字を追ううちに、いつのまにか窓の外を眺めている。そのぐらいに。SFは好きだが、やはり没入するのに相当時間がかかる。頭の中で近未来の摩天楼が出来上がったり、カッコイイ光線銃がちゃんと使えるようになる頃には、物語は終りを迎えるのだ。

とはいえ、それなりに好きな作家というのもあり、僕の場合は、その筆頭格が、ポール・オースター。初期のニューヨーク三部作と言われる三冊から入っていたが、そもそものきっかけは、ウェイン・ワンの監督した”スモーク”そして”ブルーインザフェイス”。多分90年代のアート系シアターなんていうのが渋谷でもてはやされた時代に、そのどこかで観たんだと思う。その映画の脚本がポール・オースターだと知って、興味を持った。

(余談だが、この二つの映画の舞台はニューヨークのブルックリンで、実際の撮影もパークスロープと呼ばれる地区の一角のグロサリーか何かを、タバコ屋に仕立てて撮影されたらしい。その映画の中の街のもつ空気に惹かれた。僕のブルックリン好きは、ここに端を発しているのかもしれない。マドンナがあんな格好で電報配達してくれるわけないのに、そんな素敵なことがある街だと思っちゃったりして。)

そんなオースターの作品は、読むと難しく感じるのに、何か僕の心に響くものがあったらしく、新刊が出るとハードカバーで買って読んでいた。読む本といったら、それぐらいだから、新刊書を買うのを別に贅沢とも思わなかった。

でも、本を読む習慣がつかなかったせいで、学校を出てサラリーマンをやるようになったら、ほぼ本を読まなくなった。それは今でもそうだ。

冒頭の話に戻る。僕は本が苦手だ。よく、推理小説の本編の前に登場人物の一覧が載ってるが、人数が多いと読む気がしなくなる。SF好きの彼女に言わせれば、登場人物が多いとかは問題ではないし、そんなの全然頭にすっと入ってくるよ、と。羨ましい限りだ。

そもそも、ここまで本を読まない僕がなぜ本の話をしたかは、アルコールに弱いくせにウィスキーのロックを二杯飲んだせいか、さっぱりだ。でも、きっといい時間の過ごし方だったに違いない。

そして、本という言葉が、抜けきらないアルコールと一緒に翌日まで残っていた。

そんなこともあり、なんとなく本屋さんに寄ってみようと思った。最近久しく読んでいなかったオースターの本がある。新刊らしい。少し立ち読みしてみたら、以前のように響く書き出しだったので、買うことにした。他にも、買わなかったけれどヴォネガットの未発表短編集とか、全ページにイラストを配したメルヴィルの白鯨とか、読みたいものがいくつか。

昨日のライブの余韻が強烈だったらしく、頭の中が別のことを求めているのもあって、久しぶりに活字に潜りこめそうだ。

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